Fight rhapsody | ナノ




4

後ろで一つに括られた長髪は銀色で、目の色は銀灰色。何処かはかない感じがする。しかしカインヴァルツと同じくらい鍛えられた太い腕がそれを否定した。
と、男がソリアに気が付いた。にっこりと胡散臭いくらいの笑顔を見せると頭を下げる。

「おやおや旦那もかわいらしい御嬢さんを御連れで。なんです?誘拐ですか?」
「馬鹿野郎、保護だ保護」
「どうだか・・・あ、御嬢さん大丈夫ですからね。このおっさんが怖いのは見かけだけで大変いじりやすい性格してますから」
「おいこら待てやてめぇ」
「うん知ってる」
「お前も返事するな」

カインヴァルツをげんなりさせてから男は再度ソリアに向かい手を差し出した。

「俺はディーダって言います。この人曰くこの人付の参謀らしいんで」
「は、はぁ・・・わたしはソリアよ」
「ソリア嬢ですか。素敵なお名前だ」

出された手を握り返しながらディーダをまじまじと眺める。
たれ目だが、整った顔をしており少しとはいえしわの入ったカインヴァルツよりは若く見える。二人とも負けず劣らず分厚い胸板をしているのは服の上からでもよくわかる。

「で、大方仕事先でさらってきたんでしょう?」
「だから保護だっつってんだろーが」
「女関係豊富なあんたのその発言は信じられませんなぁ」
「何もしてねえっつの」
「じゃあ、なんでソリア嬢はあんなあられもないカッコしてんですかい?」
「だから標的にかれて・・・」
「で、あんたが頂いたと。牡丹餅ですねぇ」
「違うと言っているだろうが・・・!」

自分よりはるかに年上だろう大の大人、しかも男性が言い合いをしているのにあっけにとられた後、遅れて笑いの発作に襲われたソリアはその騒動に逆らえず吹き出す。ソリアを見合ったととこ二人に笑いながら告げた。

「あなた達、大人げなさすぎ」



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