Fight rhapsody | ナノ




8

「ひっ、あ、ああああああああああああああ!!」

じくりと、まるで焼き鏝でも押し付けられたような痛みと暑さがソリアを襲う。巨富と持続する苦痛で死にそうだった。それから、自分の体の線をなぞる性的な手の動きにも、人外ともとれるその容姿にも、歌の最後の”借り腹”という単語にも、おぞましさがソリアを苛む。
いっそ、死んでしまったほうが楽なのかも知れない。
すっとその事実を飲み込んだソリアは自分の舌を歯に挟み込む。食いちぎろうと力を込めたが、ひとつの手がソリアのあごを掴み、自害をとめた。
死ぬことさえも許されず、ただ為すがままになりブラが引きちぎられたときだった。

視界が開けた。というよりは奇妙で君の悪いその者たちが一瞬で倒れ伏せた。

「へ・・・?」

間の抜けた声を出したソリアの視界に、烏が顔をのぞかせる。いや、烏ではなく烏のように黒い装束を身にまとった男がソリアの背後の者を撃ち殺した。

鋭い金色の目が、ソリアを捕らえる。

「・・・っ」
「おい・・・」

男がソリアに話しかけたのを最後に、ソリアは意識を手放した。




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テーマ「人外ファンタジー」
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