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マリオはそんな間抜け面を晒すエースに苦笑していると一人のエプロン姿の青年が三人と一匹に近づいてきた。
「マリオさん準備できてますよ・・・あ、起きたんだな。怪我大丈夫か?」
「ああ・・・おかげさまで・・・!?」
金髪碧眼の青年を見て、エースは再びぎょっとする。長くとがった耳が視界に入ったからだ。それに気づいたのだろう青年はああ、と納得したように自分の耳をつまむ。
「俺元々こういう人種なんだ。ハイリア人っての」
「そ、そうか」
「そのリアクションってことは君の世界に耳の尖った人種はいなかったんだな」
からからと笑う青年にエースはなんだか子ども扱いされたようでむっとする。無知だなと言われた気がするのだ。もちろん被害妄想であることは分かっていた。
青年はそんなエースの心境を察知したのだろう、苦笑しながら悪い悪いと言うと左手を差し出す。
「俺はリンクだ。よろしく」
「エースだ」
「クイーンと申します」
握った左手は、酷く硬かった。
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