大乱闘スマッシュブラザースZERO | ナノ




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異質だ。食堂だよとマリオに案内され連れて行かれた先の光景に、二人は固まった。
みんな、そこにいた。そしてマリオの仲間もそこにいた。いやそれは何となくわかっていた。

(え、え?キツネにとり?オオカミ?しかもなんだろあの緑色の爬虫類にピンク色のボールみたいなの???・・・ちょっとかわいい)
(黄色い・・・ネズミかしら?あと、も、モンスター??・・・黄色いのは少し可愛いわ)

よくよく見てみると0組のみんなもその異質さに居心地が悪そうだった。対するマリオの仲間は気にした風もない。いたって普通に0組に話しかけていた。

「初めましてボクはネスって言うんだ!お兄ちゃんはなんていうの?」
「うへぇ?僕?僕はジャックだよ〜」
「うわぁ〜ぽよぽよだ〜!やーわーらーかーいー!」
「ぽよっ!」

・・・前言を少しだけ撤回しよう、ジャックとシンクはネスという少年とピンク色のボールみたいな生き物と打ち解けていた。ジャックは持ち前の剽軽っぷりで、シンクは天然っぷりで回りに早くも馴染みかけている。
その様子にマリオは思わず感嘆の声を漏らす。

「おぉ・・・順応性の高い子もいるなあ・・・俺初めて会ったときびっくりして腰抜かしたのに」
「はは・・・あの二人は好奇心強いからな・・・」

エースの渇いた笑いにそうかとマリオも渇いた笑いを返す。するとクイーンの足元に黄色い何かが存在を主張していた。先ほど少し可愛いと思っていた大型のネズミ(?)だ。

「ぴちゅ?ぴ?」
「ん?ああピチューか。彼女はクイーンちゃん、隣の彼がエース君だ」
「ぴちゅ!ぴーちゅっ!」

人間の話していることがわかるのかネズミ基ピチューがクイーンに前足(手?)を伸ばす。クイーンが恐る恐る手を差し出すとピチューはたたたっと軽やかにその腕を駆け上がるとクイーンの肩に乗った。

「きゃっ!」
「ぴ、ぴっ」
「こらピチュー、クイーンちゃんがびっくりしてるだろ?ごめんな、大丈夫かい?」
「ええ、何ともありません」
「そうか。ピチューにも悪気はないんだ。凄く人懐っこくてね、仲良くなりたい一心なんだ」
「そうなのですか・・・初めまして、クイーンと申します」

そう言って肩の上のピチューにそっと手を差し出す。マリオに叱られ落ち込んでいたピチューの顔がぱっと晴れ、差し出された手を小さな両手でぎゅっと握る。
その様子にクイーンの顔がほころぶ。エースは開いた口がふさがらなかった。
あの真面目一辺倒なクイーンがこんなに柔らかく表情を崩すなど見たことがないのだから当然と言えば当然だ。


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