大乱闘スマッシュブラザースZERO | ナノ




11

「私はマスターハンド、左手の彼はクレイジーハンド。この世界の創造主と破壊主だ」
「・・・神、なのか?」

キングの疑問に右手、マスターハンドはそう言う見解もありだろうと続ける。

「我々は神にして神に非ず。ただ、作り手と壊し手としての力がこの世界で最高を誇る、と言ったところか」
「手、だけに?」
「こらジャック!」

茶々を入れるジャックをセブンがたしなめる。マスターハンドは気にした風もなく、クレイジーハンドに至っては声を上げて笑っていた。

「ひゃはっ!お前面白いこと言うなあ」
「でしょでしょ〜?この手のセンスには自信あるよ〜!」
「話を戻すが」

マスターハンドがクレイジーハンドを引っ叩きながら脱線しかけた話を戻す。痛がるクレイジーハンドにファイが自業自得だと蹴りを入れていた。中々ひどい。

「まず君たちにはこの世界の基礎から話す必要がある。その後で君たちがここに来た経緯を伺いたい。問題ないだろうか?」
「ああ」

エースが代表して同意を示す。では長くなるが、とマスターハンドは話し始めた。

「今より10年前ほど昔のことだ。この世界は唐突に生まれた。その時共に私も生まれこの世界を作り上げる責務を負った」
「け、結構最近だな」
「そうなのだ。当時私しかいなかったこの世界はひどく殺伐としていてね、しかし私は物は作り出せるが命は作り出せなかった。そこで彼ら、マリオやリンクと言った他の世界の英雄を召集し、今のスマッシュブラザーズの原型を作り上げた。最初は、そう、この世界にわずかでも命のきらめきが見たかったからだ」
「模擬戦闘が最初の目的じゃないのか?」
「それは彼らを召集して一月後に決まった。ただ集まってもつまらない、どうせなら異世界の英雄と拳を交えたい。そう言いだしたのはマリオだったな」
「まあ、戦士ならそう思うだろ?」

マリオが照れくさそうに鼻を掻いているのを見ながらエースは無言で続きを促す。

「それから私は数多の世界から英雄を召集した。最初は14人しかいなかったメンバーが今やこの大所帯だ。交わった世界は数知れず・・・その所為かこの世界に変化が起きた」
「変化?」
「当初ここに有るだけだったこの世界に自律性が生まれた。世界の自律性とはその世界が独自に進化・発展をしていくのに必要な、いうなれば「魂」のようなものが生まれたのだ」
「魂・・・」
「そうだ、自律性が生み出したこの世界は急速に進化し、この世界には生き物や町、国、文明が生まれた。それも、スマッシュブラザーズたちの出身たる世界に酷似したものからこの世界独自に発展したもの、さまざまに。しかし、それはいいことばかりではなかった」
「なんで〜?沢山文明が生まれたならいろんなものが出来て楽しいよ〜?」
「・・・そう、沢山の文明が生まれてしまったからこそ生まれてしまった争いもある。そして我々に対する明確な敵も生まれた」
「最もたる敵は、亜空軍だな」
「彼らはこの世界を削り、削った部分を別次元に隔離してしまう。明確な目的はまだ分かっていない。我々の新しい目的は亜空軍の撃破だ」

撤退はさせたのだがね、とマスターハンドは苦笑する。ちょっと待ってくれ、とストップさせたのはエイトだった。


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