大乱闘スマッシュブラザースZERO | ナノ




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スマッシュブラザーズの屋敷は意外と広いなと歩きながらトレイは思う。先ほどの食堂から20分ほど歩いたところにある階段を下る。筋トレ用の道具が置いてある。そのさらに奥の扉を開けると白虎にありそうな機械が並んでいた。

「転送人数15、転送先終点・・・っと。よし」
「設定終わったか?」
「終わった・・・お前等、マリオに続いてあの装置に乗れ」

ファイがくい、と親指を向けた方を見るといかにもな機械が置かれている。システム的には朱雀の魔法陣と同じかなとエースが思っているとマリオがその装置に乗って・・・消えた。

「先にマリオが待ってるからどんどん行け。時間もったいねえ」
「緊急の呼び出しなのか?」
「いいや、俺の睡眠時間確保の為だ」

セブンの問いにくあ、とあくびをしながら答えるファイに何よそれ!とケイトが叫ぶがわれ関せずである。


転送、とは朱雀の魔法陣と同じものだ。
トレイが頭にそう知識を入れ込んだのは回りが真っ暗な空間でのことだった。紫色の足場がぼんやりと周りを照らしているだけだというのにお互いの姿ははっきりと見える不可思議な空間だった。

「右手―、来たぞー」
「ご苦労だった」
「うるせえ禿げろ」

ファイがけっと顔をゆがめる。その視線の方向に彼はいた。
巨大な、白い右手と左手。
唖然とする0組の前に驚かせて済まないと詫びを入れ、右手が話し始める。空間全体が響いているような不思議な声だった。


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