大乱闘スマッシュブラザースZERO | ナノ




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「ん?君は小柄だな。いくつだい?」
「じゅ、16だ」
「16か。ロイより一つ上だな・・・その割には筋肉の付き方がしっかりしている。良い鍛え方をしてるじゃないか」
「ああ、どうも・・・」
「だが今の年に筋肉をつけすぎるのもあれだぞ、身長が伸びにくくなる」
「なんだって!?」

がたっと立ち上がったエイトにまあ落ち着けと苦笑しながら男は続ける。

「確かに男としては背が高いに越したことはないだろうが、低い身長でも戦いようはあるんだ。今のまま鍛えたいなら体格を生かした戦闘術を考えるといいかもな」
「な、なるほど・・・詳しく聞いてもいいか?」
「ああ、構わないぞ。俺はキャプテン・ファルコン。キャプテンでもファルコンでも好きに呼んでくれ」
「エイトだ」

ファルコンとの会話で幾分か緊張がほぐれたのだろう、エイトの表情から硬さが消える。
そんな様子を見ながらエースが口にスープを運んでいると食ってる?とリンクが話しかけてきた。

「ああ、食べてる。うまいな」
「さんきゅ、そう言ってもらえると作り甲斐があるよ」

ここの奴ら質より量だからなあと苦笑してふと真面目な顔に戻る。

「エースたちはさ、ここにどうやってきたんだ?」
「え?」
「招待状をもらった訳じゃないだろ?」

リンクの言っている意味がよくわからず答えに詰まるエースに補足をつけるようにマリオが口をはさむ。

「本来スマブラっていうのは参加資格をもらうか参加者の関係者が招待状をもらうことでしかこれない世界なんだ。それが君たちは招待状を持っている様子もない」
「招待状を持っていないゲーム不参加者は基本的にこの世界が出身の世界だ。けどエースたちはちゃんと自分の世界を持っている」
「そ、れは・・・」

二人の会話の中でエースは何とも言えない不安に駆られた。自分たちは死んだ。それは間違いない。でも、現状は彼らと食事を共にしている。手当てしてもらった傷は痛むから生きている。しかしマキナとレムがいない。自分達が死者となった確実な証拠だ。
反応のなくなったエースに二人は目を合わせると、マリオがぽんとエースの肩を叩いた。

「まあ俺たちにわからないことが君にわかるはずないよ。変な質問して悪かった」
「俺もごめんなエース」

申し訳なさそうにするリンクとマリオにエースは慌てて大丈夫だと言ったが、内心は不安で仕方なかった。
そんなエースをよそにナインは蒼い髪の青年とスペアリブを巡って争っていた。リンクがアイクやめろばかと言いながら青年の後頭部を引っ叩いていたが。


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