D×D Bypar | ナノ




二 五ページ終わりから六ページ最初まで

それをカバーするように、ケビンが口を挟む。
しかし、メニュー片手に発射されたケビンの"援護射撃"は、全くもって有難迷惑なものでしかなかった。

「ああ、ファイ気にするな。そいつはお前さんに惚れちまったんだよ。一目惚れってやつさ」

カインは盛大に、そりゃもう勢いよく机に突っ伏した。がん!と音がなったので、額を思いっ切りぶつけたのは皆さんご理解頂けたと思う。
痛む額には目もくれず、カインは直ぐさま上体を起こしケビンに食いついた。

「ちょっ、何適当な事言ってるんですか!!」
「いやいや、適当なんかじゃないぞ?男が女を見つめる時は惚れた時だと俺は思っている!」
「違います、全然そんなんじゃないです!」
「なんだよ、照れるなって」
「そうだぞ。恋に生きるもまた一興、てなぁ?」
「レンうっさい!だから本当に違うんですってば!!」

散々からかわれ、反論するカインの顔は真っ赤だっだ。
すると、ファイががしっとカインの顔を掴んだ。

「私も君がとても好みなんだ。とても嬉しい」
「ふ、えぇ!?」
「住む所が決まっていないなら私と同棲すればいい。いや結婚した方が早いな、結婚しよう」
「ちょ、あの、まっ…」
「その前に既成事実を作った方がいいな。カイン、君に悪い虫が付かないように」
「は、早まらないで!落ち着いてください!!」
「いや、こういうことは早期決断が重要だ。まずはこの二人に証人になって貰おう」

言うや否やファイはカインの抵抗を物ともせず、乱暴に唇を重ねる。口づけ、接吻、キス、ベーゼ。言い方は様々だがそんなこと酒場でやれば否応なしに注目の的になる。目の前でそんなことをされた二人は唖然として固まっている。

そんなギャラリーなど放置し、ファイは顔を真っ赤にして固まるカインの腕をがしっと掴むととんでもないことを口走った。

「さあ、次は子作りだ。頑張ってくれ、カイン」
「は?え?ちょっ…いやぁぁぁぁあああ!!」

そのままズルズルと引きずられていくカインを誰もがあんぐりと口をあけて見ているしかできなかった。

「…すまんレン。カインがファイに持ってかれちまった」
「…まあ、いいんじゃね?」

翌日、ギルドでファイとカインが婚姻届を出していたのを何人ものハンターが目撃していたという。




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