D×D Bypar | ナノ




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ギルドナイト派遣を要請し、気絶した村長や重傷者を手当しながらレンはファイにフルフル手術の顛末を知らせていた。

「…で、間違って血管切っちまって出血死しちまう!!って思ったんだけどよ、げっくんがそっから鉄の塊だしてくれたから血管縫合に専念できたんだ」

例の血管を誤って切ってしまったとき、ゲリョスが嘴を突っ込み、異物である鉄屑を取り除いたのだという。その鉄屑の形状が、かつてこの村で造られていた対飛竜用兵器の弾と同型なのを思い出し村に駆け付けたのだという。

「…なんでレン、形知ってたの?」
「俺のお袋がここの出身でさ、村に嫌気が差して親父と駆け落ちしたって言ってたんだ。何よりお袋が実物持ってたし」

カインの手当てをしながらそう喋るレンは懐かしそうに、どこか寂しそうに話していた。

ファイは、それに気づいていながら聞いてしまった。

「…ご両親は、元気?」
「死んだよ、ちょっと前にな」

ぽっくり逝っちまったと、困った様に笑うレンが小さく見えた。




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