D×D Bypar | ナノ




24

「…密猟、なんですね」

カインがゆっくり村長に振り返る。その声には僅かな落胆が混ざっていたのを村長は気付いたのだろうか。
いやらしい目がカイン達を見上げやれやれと溜息をついた。

「全く…邪魔を排除しようとすると別の邪魔が入る。フルフル亜種に纏わり付くゴミを片付けてほしかったのだがなぁ」
「貴様…!」
「お前達もお前達だ、首を突っ込まず大人しく狩ってこれば良いものを…死ぬこともなかったのになぁ?」

言うや否やカインとファイを取り囲む様に屈強な男達が得物を手に表れた。

「ハンターは一般市民に武器を向けてはならないんだよなぁ?」
「まあ、武器は、ね」

カインが軽い調子でそう言うと同時にファイが近くにいた鶴嘴を持った男の腹に拳を叩き込む。男は軽々と吹き飛んだ。

「なぁっ!?」
「申し訳ないけど密猟者を殴るなとは言われてないもんで、ねっ!」

カインは台詞を言い切るのと同時に襲い掛かってきた鍬を持つ男の手首を掴み床にたたき付ける。所謂一本背負いと言う技だ。その端ではファイが背後にいた男を背負い投げ、飛ばした。

「やっ、やれえぇぇ!!」

村長の悲鳴を切り口に屋敷内での乱闘が始まった。
次々に襲い掛かる男達の内一人にカインは思いっきり頭突きをかます。怯んだその男の頭を掴むと別の男の額へぶつける。

「これ返す!!」

完全に意識を飛ばした男を、カインは向かってくる男達の方へ投げ飛ばす。

反対側ではファイも負けじと暴れていた。
あの、飛竜さえ吹き飛ばす蹴りを三人に食らわせる。ばきりと嫌な音がしたがファイの知ったことではない。

蹴りに使った方の足が床につくや否やファイはその場に思い切りしゃがみ込む。ファイの頭上で鉈が勢いよく素通りし、鉈を振った男の背後にいた男の腕を斬り飛ばす。
悲鳴を聞きながらファイは足払いを仕掛け男の頭を蹴る。動かなくなった男を捨て置き背後の男の顔面に裏拳を入れる。手応えで鼻が折れたのがわかった。




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