D×D Bypar | ナノ




22

枯れた木々の間を縫って、カインとファイは疾走する。

終始無言ではあったが、先程よりは幾分かマシだった。
と、ファイが走る足を止めずに口を開く。

「何をするんだ?」
「死傷者を出した飛竜がゲリョスじゃなくて他の飛竜かもしれないって言って、あとこっそり密猟の事実を探す!」
「もし密猟だったら?」
「締める!」

カインの物騒な台詞に、ファイは小さく笑う。なんだか悩み過ぎていたさっきまでの自分が馬鹿らしくなってきた。

「じゃあ急いで行かないと、ほら早く!」
「えっ、あ、ちょっと待ってよ!」

ぐん、とスピードを上げたファイをカインは慌てて追い掛けた。







一方、レンは治療に専念していた。
フルフルが痛みで暴れないように傷口の周りに麻酔薬を塗り、持参していた血止めをちょっとずつ塗って行く。異物は思いの外深く埋まっている上、鉤状になっているのか引っ張るだけでは取れそうになかった。

レンは肉焼き機に水を入れ沸騰させるとその中に剥ぎ取り用ナイフを入れ、熱殺菌する。
自前のモンスター縫合用の太い針に先程作ったツタの葉の糸を通して置く。

治療道具を持ち歩くのも癖になったなぁと苦笑し、殺菌が完了したナイフを手に取り着いていた水滴を拭き取る。

ここからは神経を使う作業だ。


レンの表情がすっと引き締まった。




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