D×D Bypar | ナノ




21

「…っし、できた」

沈黙の中、レンの満足そうな声が洞窟に響く。それまでじっとしていたカイン達は一斉にレンを見た。

レンの手元には捕獲用麻酔玉と捕獲用麻酔薬、回復薬グレードがあり、ツタの葉の葉の部分は適度な大きさに切られている。ツタの部分も細く切られて糸状になっていた。

レンは極力優しくフルフルに捕獲用麻酔玉をぶつけるとフルフルは呆気なく昏睡した。
ゲリョスは昏睡状態になったフルフルを見遣り心配そうに鳴いたがレンは大丈夫だとゲリョスの腹を撫でる。

「安心しろって、絶対治してやるから…カイン」
「なに?」

今だに不機嫌なカインに呆れながらレンはファイを差し、クエスト受注表を渡した。

「依頼者がいる村、近いだろ?二人で行ってこいよ」
「え…でもフルフルが」
「これくらいなら一人で十分だ。暴れだしてもこいついるしいざとなったら押さえてもらうし」
「レン…」
「こいつは狩猟対象じゃねえんだろうが。誤解解くなり密猟の証拠探すなり好きにしろよ。ファイ、カイン頼むな」
「…」

ファイが控えめに頷くのを確認し、レンは行ってこいと背中を押し、二人を追い出した。






二人の姿が見えなくなるまで見送っていたレンは、フルフルを見、ゲリョスを見上げた。

「さて、こいつが暴れだしたらちゃんと押さえてくれよ!」
「ぎぎょっ!!」

ゲリョスは了解と鳴き、レンはボロ布に麻酔薬を染み込ませた。



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