D×D Bypar | ナノ




19

不思議なことになったなぁ、とゲリョスは黙々と何か作業をしている青い毛のニンゲンの雄を見ながら思った。
確か、この生き物は自分を敵として襲い掛かって来ていた筈なのに今は一緒こいつ(ニンゲンにはフルフル亜種って呼ばれていたっけ)を助ける為に同じ空間にいる。

今までは、そんなことはなかった筈だ。


ニンゲンは自分を見れば襲ってくる、怯えて逃げて行く。それなのに、なんでだろう。
このニンゲン達は、自分達を助けようとしている。

そのニンゲン達に、少し気を許している自分がいる。
この青い雄や赤い雌もそうだが、一番不思議なのはあの白い雄だ。

自分は、彼が怖いと感じたのだ。
だが、彼は優しかった。
そして色合いも雰囲気もなにもかも、二人より優しく柔らかかったと言うのに、本能に近い恐怖を感じた。


あれは、ニンゲンじゃない。そう思いさえするほどに。


「………全く、お前狩りに来たのにまさかフルフル治療するとは思わなかったよ」

青い雄が溜息混じりに呟く。ゲリョスは全くだと小さく鳴いた。




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