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「…まずはこいつを取り除かねぇとな」
あらかた調べ終わったレンはハンターなら誰もが持っている剥ぎ取り用ナイフと調合書を5冊取り出し目的のページを探しながら口を開いた。
「カイン、ファイ。わりぃけどマヒダケネムリ草ネンチャク草に石ころあと薬草にアオキノコついでにハチミツ各三つずつああそうそう余裕があったらツタの葉も多めに取って来てくれ」
「へ?へ??」
「うん、分かった」
一気に言われ何がなんだか解らないファイを余所に、カインは慣れているらしく、素直に頷いて洞窟を出て行く。ファイは慌ててカインを追いかけて行った。
ぽかんと蚊帳の外になっていたゲリョスはレンの呟きを聞いていた。
「全く…無自覚な嫉妬が一番欝陶しいぜ…」
厄介払いなのかそうじゃないのか解らないレンの行動にゲリョスはただただ首を傾げるばかりだった。
無言でずかずかと進んで行くカインに、ファイは小走りで追いかける。
何処か怒っているようなカインの背中に言いようのない不安を感じて、ファイは一生懸命追いかけながら口を開く。
「あの、カイン…」
「ファイさんアオキノコとマヒダケ、ネンチャク草探して」
素っ気なく聞こえたカインの声に、へ?とほうけた顔をしたファイを見ることもなくカインはじゃあ僕あっち探すからと別方向へ足を向ける。
人付合いの少ないファイは、こう言う態度に対する免疫がない。
カインを引き留める事も出来なかった。
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