D×D Bypar | ナノ




15

猛ダッシュでベースキャンプへ戻ったカインは、立ち上がって片手剣を担ぎ直しているファイを視界に入れた。よかった、とカインが口に出す前にファイの強烈なストレートがカインの左頬にクリーンヒットする。

「ぐはぁっ!?」
「カインーーーーーー!!!!」
「…」

レンの悲鳴もなんのその、ファイはふんと鼻を鳴らしふてぶてしくそっぽを向いた。
なんで殴られたの、とかなんだその馬鹿力は、とか聞きたい事は山程あったが、カインは脳が揺れているような錯覚と左頬を襲う痛みのせいで口から出るのは訳の解らない奇声だけだった。
地に伏せたカインを見遣り、ちょっとやり過ぎたかなと思いながら、いやカインが悪いと思い直し、ファイは髪を結い直しザザミヘルムを被る。
一方レンは気絶寸前のカインを見ながら冷や汗が止まらなかった。
カインには申し訳なかったが、起きてカインがいないのに戸惑ったファイがなんだか可哀相で洗いざらい伝えたのだ。まさか、ぶん殴られるとは思わなかった。


暫くして復活したカインはファイに睨まれ辟易しながら事の顛末を二人に伝えた。レンはもちろんファイは表情こそ余り変わらなかったがやや見開かれた目が彼女の驚愕を物語っていた。

「とりあえずレン、来てくれないか?僕じゃフルフルに埋まってる異物を取り除けない。ファイさんもついて来て欲しい」
「ああ。わかった」
「…」

ファイが小さく頷いたのを確認し、カインはレン背負った。




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