D×D Bypar | ナノ




5

がたがたと竜車に揺られながらカインはレンとファイが話しているのを聞いていた。

「あんた、片手剣使いなのか?」
「…ああ」
「へぇー。あ、じゃあ双剣使えんのか?あれの鬼人乱舞カッコイイけど」
「いや…双剣は使えない。乱舞に必要な気の調整ができなくてすぐ壊してしまう」
「気で武器破壊って…それかなり凄くね?」
「…そうなのか?」
「知らねえよ。つか俺に聞くなよ」

そんな会話を聞いていたカインはいらいらしている。ひたすらだんまりを通すカインにレンとファイは気付かない。

(何でそんなに会話できるんだよ…)

自分と話すと一言二言で終わってしまうファイとの会話を、レンはかれこれ2時間は続けている。それはレンの興味の対象が尽きないからなのだが、それにファイが律義に返すのでそれなりに会話が成り立っていくのだ。

「始めて捕獲出来たモンスターってなんだ?」
「…グラビモス」
「グラビモス…ああ!あのでかい飛竜な!」
「頑丈過ぎて倒すの無理そうだったから…作戦を討伐から捕獲へ変えた」
「そういう風に作戦の切替が出来るのがすげえよ」
「調合…苦手だから罠はパズルに作って貰った」
「そうなのか?だったら出来る範囲で教えるけど」
「本当に!?…あ、いや、すまない」

突然叫んだファイに二人して驚いたがレンはファイに人間らしい所があると笑い、カインはファイに大声を出させたレンを羨ましく思いながらこれから調合頑張ろうとひそかに心に誓った。


やがて目的の沼地にたどり着くまでファイとレンは喋り続け、カインの機嫌は底に付く位悪くなっていた。




[ 54/200 ]

[*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]



第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
- ナノ -