D×D Bypar | ナノ




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漸く支度が調い酒場のクエスト受注用カウンターで手続きをしていると、エルベがそういえばと口を開いた。

「君達の今回の標的、ちょっと不思議なんだって」
「不思議って?」
「ゲリョスは死んだ振りをしてハンターの持ち物を盗むんだけど、そのゲリョス、回復薬以外は持ち主に返すらしいわよ」

普通は返さないんだけどといいながら、エルベは受注書にぽんと認証印を押した。

「はい、これ。沼地は毒ガスが立ち込めて危ないわ、解毒薬多めに持って行きなさい」
「ありがとうございます」
「所でカイン君」
「はい?」
「どうやってファイ落としたの?あの子誰が誘っても一緒に行こうとしなかったのに」

エルベの台詞にカインは硬直し、その背後でレンが噴き出しファイは落ちてないと少しずれた(どうやら高いところから落ちた、と取ったらしい)反論をする。

再びブリキ人形のようにぎこちない動きになったカインの代わりに、レンが笑いを堪えながらもう聞かないでやって来れとエルベに頼んだ。

エルベもそれだけで大体分かったらしい。いっひっひと意地の悪い笑い声をだす。
何も分かっていないのはファイだけだった。




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