D×D Bypar | ナノ




3

--------------------------------------------------------------------------------
「んで、何故だかカイン君はこの三日間ぷかぷか浮いてたと。風船もしくはいるかどうか知らねえがヤマツカミかてめぇは!!」
「浮い…ってない!!多分!!」
「いいや!!浮いてるね!!浮かれまくって天国逝けそうだったね!!」
売り言葉に買い言葉とは正にこのことを言うのだろう。レン相手に大人げというものはカインにはなく、ともすればいつぞやの様に無意識暴露大会が開催されようとしていた。主催カイン・レン。観客うろたえるチャチャ・首を傾げるチエリー。
しかし、控えめなノックが二人の不毛な言い争いを遮った。

「…今、まずかったか?」

ザザミシリーズを見に纏ったファイがやや困惑した表情でドアの隙間から顔を覗かせていた。

「!!!!」
「あ?別に全然大丈夫だぜ?」

ファイを見た途端大袈裟なくらい肩を跳ね上がらせたカインとは対象的に、レンはぶすっと頬を膨らませてファイを見る。普段彼女がどういう格好をしているかは知らないが二つに結われた髪は何だか新鮮だ。
ふと、カインはファイが背中に背負っているものを見て首を傾げた。

「あれ?太刀じゃ…」
「違う」

否定、いや、はっきりとした拒絶。
呆気に取られるカインとレンとは対照的にファイはいつもの眠そうな無表情で用意はまだかと聞けば、二人は慌てて用意を再開する。

その間カインはファイを、正確にはファイの背中を陣取っているものを見た。

片手剣・ククリブレードががちゃ、と不機嫌そうに音を立てた。



[ 52/200 ]

[*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]



「#オリジナル」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -