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「じゃ、じゃあこいつは助かるんチャね!?」
「うん、そうだよ」
大きくは成れないけれどと続けるカインに生きて行けるならいいっチャ!!とチャチャが言う。
あの後どうせなら皆で喰うかと言うケビンの一言にエルベが賛成し、賑やかな朝食が始まった。その頃になるとリオレイアも起きて腹を鳴らしながら餌を求め始めたのだ。
六人と三匹の朝食は非常に楽しく、初対面のパズルとチャチャが互いの食事を交換しあったり、リオレイアがかなり人懐っこい一面をみせ、カインの口の端に着いていた食べ滓をつつき痛がるカインをからかったレンが笑いすぎて喉を詰まらせたり。
最期にこうやって笑いながら食事をしたのはいつだろう。
ファイはぼんやりと考え込んでいるとレンがチャチャに声をかける。
「お前これからどうすんの?」
「チャ?どうもこうもおまえらといっしょに暮らすっチャよ?」
「「はぁ!?」」
カインとレンが揃って素っ頓狂な声を上げる。一方のチャチャはさも当然の様に答えた。
「オレチャマはこいつの監視役っチャ、側にいるのは当たり前っチャ!」
「だからって俺ら新人だからお前まで食わせる稼ぎねぇよ!」
レンが情けない声を上げる、しかしチャチャはちっちっち、と短い指を左右に振る。
「大丈夫っチャ、オレチャマもちゃんとおまえらの手伝いをするっチャ」
カイン達が出かけている間にチャチャも狩りにいき、手に入れた物を売って生活費を稼いでくるそうだ。
「後おまえらどっちかひとりが狩りにいくならオレチャマもついていくっチャ、サポートくらいはできるっチャ」
「僕は別にいいけど…レン、どうする?」
「…駄目って言ってこいつが聞くとも思えねえな」
好きにしろよとレンが言えばチャチャがありがとっチャ!と飛び掛かり、直ぐにレンvsチャチャの喧嘩が勃発する。
それを止めにかかったエルベとケビンとパズルをを尻目に美舟とカインとリオレイア、そしてファイはマイペースに食事を進める。
「…チエリー」
「ん?」
ふと、ファイがリオレイアを見てこういった。カインが?を頭に浮かべていると美舟がくすくすと笑って助け舟をだす。
「チェリーよ、さくらんぼ。この子はこの発音だけおかしいの」
「へぇ…で、さくらんぼがどうしたの?」
「名前」
どうやらファイはリオレイアに名前がないのが気になったらしい。カインは納得し、リオレイアに話しかける。
「いいか?今日から君はチエリーだ、わかる?」
「きゅ?」
「ち・え・りー。君の名前だよ」
「きゅ・きゅ・きゅうっ!」
「よしよし、いい子だな」
「きゅう〜っ!」
カインがリオレイア改めてチエリーの頭を撫でてやるとチエリーは嬉しそうに鳴く。
ファイはカインが自分の言い分を理解して叶えてくれたのが嬉しかった。
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