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「っどういうことですか!!」
がん、とカインの拳がカウンターを叩く。しかし普段から荒くれ者を相手にしているエルベには全く意味をなさない。
エルベは溜息をつくともう一度同じ台詞を繰り返す。
「だから、このリオレイアにはカルマの陽性反応がでた。この子の処分が決まったのよ」
「んな理不尽なことがあって溜まるか!!」
先陣斬って怒鳴ったカインに続きレンも怒号を飛ばす。
「しょうがないでしょう。ギルド上層部が決めたことなんだから」
「それでも飛竜種だからって理由で殺される必要性が分からない!」
「あのねぇ」
エルベは三度溜息をつく。その眼光は鋭い。
「あんた達はいいでしょうけどもしこの子が誰かを傷付けたら責任は取れるの?」
「それは…っ」
「責任は自分達が、っていいたいの?取れもしない責任を取るなんて言う方が無責任よ。いい?あんた達が言ってい対象はポポやケルビなんかじゃない、リオレイアなのよ?」
「でもリオレイアは人間の…」
「何?人間が原因?そりゃそうよ、モンスターが薬を作る訳がないわ。確かに人間が悪い、でもあんた達はハンターでしょう。少なくても人間側、モンスターはハザードと言う名の敵よ」
だったら排除してしかるべきと言うエルベの言い分は冷たい。しかしそこには正論と芯が通っていてカインもレンも何も言い返せない。
「ほっほっほ、何やら難しいお話をしていますね」
気まずい空気を破ったのは、上品な老女の声だった。
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