D×D Bypar | ナノ




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柔らかな、しかし寝起きには凶器のような朝の日差しがファイの網膜を刺激する。
ファイは小さく唸ると薄く目を開ける。赤い虎模様が僅かに上下していた。

「…おはよう、パズル」
「んニャ…」

隣で寝ていたアイルー、基パズルを揺すってやるが起きない。
無理もない、昨日クルペッコを大猟してきたのだ。疲れてない方がおかしい。
ファイはパズルを起こさないようにそっと立ち上がり、適当に身支度を整え住まいを出た。

向かった先は酒場。
クエスト報告と朝食が目的だ。
ふと、ファイは昨日エルベが言っていた事を思い出す。

(…帰ってきたのか?)

思い出すのは処女雪のような白銀の髪と人好きのする顔。

(…会えるかな)

少しわくわくしながら酒場へ向かうファイの足取りは軽かった。




しかし、酒場の入口をくぐった途端響いた怒鳴り声にファイは小さく肩を飛び上がらせることになる。




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テーマ「人外ファンタジー」
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