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「なっ!」
カインは目を見開く。
「現段階でこいつが薬を…『カルマ』って名称なんだが、それを使われたかどうかは分からん。ただ、もし使われていたのなら、こいつは自然には帰れない」
そこでケビンは、一緒に話を聞いていたチャチャにしゃがみ込み視線を合わせ問い掛ける。
「…一度、こいつを街へ連れて行こうと思う。検査して貰って、もし『カルマ』が使われてなかったら自然へ帰せばいい。お前はどうしたい?」
「な、なんでオレチャマに聞くっチャ?」
「お前さんが連れて来たんだろう?お前さんの意見を尊重するさ」
ケビンはチャチャの頭をぐりぐりと撫で回す。暫くだんまりを通していたチャチャだったが、急にケビンの手を掴むと思い切り顔を上げた。
「いいっチャ…そいつをまちに連れていけっチャ。ただし!監視役としてオレチャマも連れてけ!」
「おうおう。つか駄目って言っても聞くタイプじゃないだろお前」
当たり前っチャ!!と叫ぶチャチャにそうかそうかとケビンは抱き上げる。
「おいカインいくぞ…?」
返事が返って来ないのを訝しんだレンが後ろを振り返ると、カインは小さな寝息を立てて眠っていた。恐らく貧血と言うのもあるのだろうが、前衛のプレッシャーが今更来たのが大半だろう。
レンはため息をつくと、ケビンからチャチャを預かりカインを背負わせるとリオレイアを抱えて歩き出す。
沈む太陽と入れ代わりに竜車の影が視界に入った。
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