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さて、三人が穏やかな木漏れ日の恩恵を受けながら竜車に揺られているのと同時刻、森ではちょっとしたハプニングが起きていた。
「ええい欝陶しいニャ!あっち行くニャ!」
「いたっ!や、やめろっチャ!」
数匹のメラルー達が小さな影を一つ取り囲んで私刑紛いの事をしていた。
頭と体のバランスが悪いその影は、背後にもう一つ自分より小さな影を庇っている。
「大体、お前が来たからイャンクックもこの森にやって来たんだニャ!あいつとお前はグルニャ!!」
「違うっつっでんだろっチャ!誰が好き好んであんなのの仲間になるっチャ!」
「奇面族の言うことなんて信じられにゃいニャ、森から出ていくニャ!!」
最後に一回、奇面族を蹴飛ばすとメラルー達は去って行った。
奇面族は、背後に庇っていたものに、優しく語りかける。
「大丈夫っチャ、オレチャマが…オイラがお前を守るから」
奇面族の腕の中の小さな飛竜が弱々しく、鳴いた。
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