D×D Bypar | ナノ




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酒場のカウンターでクエストを受注した三人はアプトノスが引く車(愛称で竜車と呼ばれる)に乗り、東南域森丘部に向かっていた。

今回受注したクエストは、ビギナー二人と言うことでイャンクック討伐だ。最初はドスギアノスかドスランポスかと話していたのだが、レンが飛竜種がいいとごねて、妥協したのがイャンクックだった。


街から離れていくにつれ、潮風の香りが遠退いていく。代わりに森林の爽やかな風が三人を出迎える。柔らかく差す木漏れ日にレンはうとうとし始め、つい先程寝入ってしまった。
今から狩りに出向こうとする人間のすることじゃないなとカインとケビンは苦笑する。

「穏やかな所ですね」
「まあこの地区はな。北に行きゃ雪がずっと降ってるし南に行いきゃ水上森林になる」

方角が変われば雪山も火山になるらしい。
そして目的地は、一年を通し穏やかな気候なのだそうだ。故に、リオレイアやイャンクック等の大型のモンスターも姿を見せるのだ。

「まあ今回はイャンクックだ。気楽に行けばいいさ」
「…ケビンさん僕らがビギナーなの忘れてません?」
「ちゃんとフォローしてやるから心配すんなって意味さ」

片目をぱちんと閉じたケビンに、カインは小さく笑った。



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