D×D Bypar | ナノ




7

「もういい加減お前さん達懲りたらどうだ?」
「「…」」

あの後軽い乱闘にまで発展していったカインとレンの喧嘩は、否応なしに野次馬達の下馬評の対象となった。そのことに本人達は全く気が付いていなかったので喧嘩の内容、しかもものすごくくだらない会話が筒抜けだった。

「レンなんか5歳の時アイルーにちょっかい出して引っ掻かれて泣いた癖に!」
「お前は10歳まで女装させられてはしゃいでたじゃねえか!」
「暴れてたんだよあれは!!」

これは二人の会話のほんの一部だ。聞いていたケビンのがいたたまれなくなって本格的ち止めにかかったのだが、しかし二人の痴話喧嘩が止まることはなかった。
しまいにはエルベが「そんな恥ずかしい喧嘩してんじゃないわよ!!」と一喝して漸く落ち着いたのだ。
無意識に暴露大会を繰り広げてしまった二人は今は大人しく縮こまっていた。

「もう少し大人の器量ってもんを身につけろな」
「うぅ…」
「すみません…」

しゅんとうなだれた二人に、反省してるなら構わんぜと優しく背中を叩いた。


それを見ていたファイは、沈黙を保ったまま、眼球だけを動かしそっと机の下をみた。

カインの足がレンのすねを蹴り、負けじとレンもやり返す。

それをケビンに告げるか否か考え、結局ファイは沈黙を保つことにした。


要は、自分の中でなかったことにしたのだった。



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