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カインは盛大に、そりゃもう勢いよく机に突っ伏した。がん!と音がなったので、額を思いっ切りぶつけたのは皆さんご理解頂けたと思う。
痛む額には目もくれず、カインは直ぐさま上体を起こしケビンに食いついた。
「ちょっ、何適当な事言ってるんですか!!」
「いやいや、適当なんかじゃないぞ?男が女を見つめる時は惚れた時だと俺は思っている!」
「違います、全然そんなんじゃないです!」
「なんだよ、照れるなって」
「そうだぞ。恋に生きるもまた一興、てなぁ?」
「レンうっさい!だから本当に違うんですってば!!」
散々からかわれ、反論するカインの顔は真っ赤だっだ。
しかし、当のファイはと言うと。
「…まずは友人から頼む」
平然とそう言った。そのせいでカインはレンからフラれたと散々からかわれるはめになった。
二人がぎゃあぎゃあ騒いでいるのを呑気に見ていたケビンはふと、ファイを見た。
「…ほう」
驚きに目を丸くした後、感慨深げにそれだけ呟くと今だに騒いでいる二人を止めにかかった。
いつも表情を崩さないファイの頬が、控えめに赤く染まっているのはケビンだけが知っていた。
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