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ほらほらにーっと口角を吊り上げるメルと、投げやりだが遠回しに元気づけようとしてくれているトモに純粋に感謝する。
(そうだ、辛いのはカインで私じゃない)
それなのに自分が暗くてはいつか一緒に狩りに行くときカインもレンもケビンも暗いままではないか。
今の自分にできること、それはみんながまた集まれる場所を守ること。今までなら難しいことでも今からならできる気がした。
そう思うと不思議と今まで悩んでいたことが晴れて、目の前が明るくなったのだ。
「・・・ありがとう、二人とも」
「えへへー、どういたしまして!」
「別にどうでもいいよ。ほら、アカムトルム探そう」
ふい、とそっぽを向いて行ってしまったトモに待ってよー!と情けない声を上げながら追いかけるメルの後ろをファイは小走りで追いかけた。
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[mokuji]
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