D×D Bypar | ナノ




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「ああもう相変わらず熱いんだけど」

そう不機嫌全開に呟くトモにファイは全くだと頭の中だけで同意する。どう考えても彼女に共感できるのは熱い、という部分だけであってそれ以外のこの状況には全く納得がいっていなかった。

「あっ見てみてー!紅蓮石でたー!」
「メルのくせに生意気。トモはさっきから鉄鉱石しか・・・あ、獄炎石」
「トモいいなぁ・・・」
「おっ・・・前らああああああ!!」

ファイは思わず絶叫する。目の前で爪を振り下ろすラングドラを盾で受け止めいなしながら自分の背後で鉱石採取を行う二人に吼える。

「お前たちが受けた依頼だろうが!!」
「フライうるさい」
「な・・・っ!?」
「一人で動いた方が暗くなった顔も引き締まっていいんじゃないの」

両手沢山に採取した獄炎石を抱えながらトモがじとりとファイを見る。其の傍でメルは援護―と言いながら狩猟弓を展開していた。一瞬後に飛来した矢がラングドラの額を貫く。その後立て続けに打ち込まれた矢によって絶命したラングドラを一瞥しながらメルが心配そうに眉根を寄せた。

「フライ、ずーっと元気なかったからトモ心配してたんだよ?」
「心配とかじゃないし、空気暗くて鬱陶しいだけだったから」
「もちろんメルも心配したよ?何があったか知らないけど元気だして?」

ね?と首をかしげるメルにファイは瞠目する。そんなに目に見えて落ち込んでいたのか、それともメルとトモの洞察力の賜かはわからない。
しかし、この二人は自分を見てくれて引っ張りだしてくれたのかもしれない。

「・・・すまない」
「わわわ、謝ることじゃないんだよ!ただ、フライ元気だとうれしい人もいるでしょ?メルもうれしいよ?」
「じめじめされるより気分はいいよ。元気出せば?」


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