D×D Bypar | ナノ




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浅黄の頭と深緑の頭、もといトモとメルはコンビで狩りをおこなう最低人数のパーティーだ。極々稀に別の狩人を交えて狩ることもあるのだが、大概二人の奇天烈な性格が災いして長続きしない。
トモ曰くここまで長くコンビが続いたのはメルだけ、メル曰くここまで仲良しなハンターさんはトモだけだという。

一体、どのあたりが「仲良く」なのだろうか。

再び口論の始まったメルとトモにファイは大げさなまでにため息をついた。
この二人のこともそうだが、ファイにはもう一つため息をつきたい事情があった。

カインのことだ。

あの「白い日」以来、外に出ていない。逸れ所か、レンと一言も口をきいていない状態なのだという。ケビンも私用が重なりここ3週間ほど一人(たまにレンと二人)で狩りに出ている。その間でさえも重たい空気が漂い酒場に戻ると自然解散となりまともに話をしていない。
その、ファイでさえ落ち込んでいるときにこの二人の登場だ。気が抜けるというかなんというか。
当然、二人はファイたちのことを知らない(と言うよりファイ以外の三人のことをメルとトモは知らないのだが)

「フライフライ―!!トモが意地悪するー!」
「意地悪じゃない、調k世の倫理だよ」
「また調教って言おうとしたぁっ!」
「だってメルうれしいでしょ?」
「うーれーしーくーなーいぃぃぃっ!!」

・・・なんだか、悩んでいる自分が馬鹿らしくなってきたぞ?
ファイの胸中など知らずぎゃんぎゃん騒ぐ二人はエルベの眼光が突き刺さっていることに気付かない。エルベはずんずんと近づいてきて、それから勢いよくバインダー(×2)を振り上げてメルとトモの脳天に落とした。

「ちょっとは静かにしなさい!!」

そんな怒号と共に二人の脳天には大きなこぶが出来上がった。


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