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「…使用武器は…なあ、他に使う武器がある場合はなんて書くんだ?」
「その場合は例えば片手剣・その他って書いておけばいいわ」
レンとエルベの会話を聞きながらカインはさらさらとペンを走らせる。ヒプノックの羽で出来た鮮やかな橙色を視界に入れながら武器の種類を二つ書いた。
「っし、出来た!」
「僕も出来ました」
「じゃあこっちで預かるわね。ケビンが席を探していた見たいよ」
エルベはそういうと、カウンターの奥へ引っ込んだ。
レンは首をごきごき鳴らしながらのびをする。
「あー…あの手の書類はもう見たくないな、かったるいかったるい」
「レンは字書くの苦手だもんね」
「へーへー、どうせ俺は字が下手ですよー」
そう言ってレンはへそを曲げる。カインは何年も一緒にいるのでレンの不機嫌には慣れっこだ。なので放って置く。
「取り敢えずケビンさん捜そう。流石に一人で先に帰ってる訳ないだろうし」
そういうとカインは人込みを縫って進み出した。レンが慌てて追いかけたのは言わずとも分かって頂けるだろう。
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