D×D Bypar | ナノ




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夕方と言うこともあってか、酒場は人、主にハンター達でごった返していた。

あちこちで今日の狩りの成功を祝い合っていたり、はたまた他愛ない雑談を肴に酒を煽るものや、カイン達の様に純粋に食事を取りに来た者もいる。

「うわ、凄い人」
「しかも酒くせぇ…」
「お?レンは酒無理なのか」
「るっせぇやい」

図星を突かれたのか悪態で返すレンを適当に宥めすかし、ケビンは近くを歩いていた従業員らしき女性に声をかける。

「ようエルベ。ちょっといいか」
「あらケビン、いらっしゃい。今日は3人様で?」

従業員はエルベと言うらしい。にこやかにケビンに近寄る。どうやらケビンはここの常連らしい、他に飲んでいるハンターや厨房から顔を覗かせたコックにも笑顔で挨拶され、また挨拶を返していた。
その人望にカインとレンは呆気に取られているとぽん、と肩を叩かれ我に返る。肩を叩いたのはエルベだった。

「ハァイ、君達は初めてさんね。私はエルベ・シャプリエ、ここの給仕係兼ギルドマスター補佐よ」

ぱちんとウインクされ、二人はしどろもどろになりながら自分の名を告げる。初々しくていいわね、とエルベは笑った。

「さて、君達はハンター登録に来たのかな?それともご飯食べに来たの?」
「両方です。あの、登録手続きって時間かかりますか?」
「うーん、そんなにはかからないわ。先に食べてからにする?」
「いや、先にしてやってくれ」

そう言ったのは漸くカイン達の元に帰ってきたケビンだった。この様子じゃまだ増えそうだしなとつけ加える。

「そうね…ハンター君達が増えたらこっちに構ってあげられないしね。じゃあ登録だけぱぱっとやっちゃいましょう!」

エルベはカインとレンの腕を引っ張りクエスト受付用カウンターへ連れていった。
ケビンは席を確保しに、既に出来上がりつつあるハンター達をかわしながら空いているテーブルを探すのだった。




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