D×D Bypar | ナノ




5

そんなカインの様子にレンとケビンも気がついた。

「カイン?」
「どうしたんだ?緊張でも・・・」
「すみませんケビンさん、僕はそのクエストは受けられない」

きっぱりとした彼らしくなに返答にケビンは思わず片眉を跳ね上げた。以前カインの顔からはあの表情が抜けきらない。
しかし理由がわからない申し出にケビンは答えるわけにいかない。ほかのハンターだったら用事か何かだろうと思い無理やり誘いにもしないのだが、相手が相手なのでそう言う訳にもいかない。

「だめだ」
「ケビンさん!」
「理由はわからんが、お前さんはハンター家業で食っているんだろ?今はどのクエストも難易度が高い。これが一番ハードルが低いんだ」

だから、わかるだろうと問いかけたケビンを、カインは下唇をかみ締めてうつむいた。

まるで駄々っ子のようだ、と一連の会話を聞いていたファイは思った。
この男がこのような軽率な言動をするなど以外だった。それよりも

(その、傷ついたような顔は何?)

ひどくつらそうなカインの表情のが気になった。

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