D×D Bypar | ナノ




2

「最近多いな・・・」

そうケビンを呟かせたのは、眼前に貼り付けられた一枚のクエストだった。
これもそうだが、既に受注されたものもかなりハードなものが多かった。頭をがりがりとかきながらケビンはもう一度自分の目の前のクエストボードを読み返した。
それを眺めていたエルベもこっちもお手上げよ、と言わんばかりに首を横に振っていた。

「・・・前はなんだったっけか」
「オオナズチの大量発生」
「その次は」
「ナナ・テスカトリとテオ・テスカトルの番、二組」
「多すぎるだろう、古龍種討伐のクエスト」

そう、多いのだ。古龍種と呼ばれる強者の頂点に座する種の数が。

本来、生きているうちに一体出会えれば幸運なほうなのだ。それがいまや毎日クエストボードに張り出されるほどに、数が増えている。

「そういわれてもねえ、こればっかりはうちの管轄じゃないのよ。観察室の領域よ」
「分かってるさ、攻めているわけじゃあない。ただ、こればかりは笑い事にならない」

ケビンは難しい顔で顎髭を撫でる。彼の癖で真剣に悩んでいる時にしてしまう仕種だ。

「取り敢えずこのクエストは受けておくよ。いつもの面子でな」
「え?あの子達にはまだ早いわ」
「今こんな状況だ、自由貿易都市のサウィナズスでも国から御達示がありゃあ古龍討伐に駆り出される。着けられる力は着けとくに越したことはない」
「でも…」
「心配するなよ、やばくなったら引きずってでも逃げるさ。命がありゃ何度でも挑める」

そういいながらケビンはクエストボードから依頼書を剥がした。



[ 169/200 ]

[*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]



「#幼馴染」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -