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「メルはメルだよー、よろしくね!」
「トモだよ。よろしく」
「・・・ファイだ、こちらこそ」
やはりというかなんというか、やっぱりこうなった。
狩猟の準備を凄まじいスピードで終えた三人は共に竜車に乗っていた。
目指すは火山、トモの鉱石採集だ。
どうやらこの二人の間には完全に力関係が出来上がっているようで、メルが散々喚き散らしたにも関わらずトモの用事が優先的に先になっていた。
ちなみにクエストの内容は、どうせだからアゴちゃん(おそらくアグナコトルのことだろう)も狩りたいというメルの要望を、トモが一億万歩譲って討伐クエストをとっている。
硬い奴に、さすがに片手剣では骨が折れるとファイはいやいやではあったが別の得物を自分の背中に背負っている。
太刀だ。
最近使われた形跡のないそれは、しかししっかりと手入れされており今すぐ使っても何の支障もなさそうだった。
どうしてファイが普段お蔵入りの太刀を取り出したかと言うと、まああれだ。
この二人を見ていて、本気を出さないと生き残れない気がしたからである。
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