D×D Bypar | ナノ




3

ガンナーは人ごみを掻き分けてファイに近づいてきた。戦斧使いもその後に(非常に面倒くさそうに)続く。
そして、やはりというかなんというかファイの目の前まで来た。

ガンナーは純粋と言う表現がぴったりなほどの笑顔でファイの手をとった。

「ハンターさんっ!メルとナルガ狩り行ってくだsいったあ!!」
「自分もハンターじゃん」

メル、と名乗ったガンナーは、しかし背後の戦斧使いに突っ込まれ勢いよく引っ叩かれる。だがその突っ込みはどことなくずれている上に非常にやる気なさげではあったのだが。

「ぅー・・・トモの鬼ー・・・あいたぁ!」
「ざ☆正義の鉄拳☆」
「・・・なんなんだ?」

ファイは思わず声に出して聞いていた。聞いて後悔した。何で今のうちに離れなかった・・・!
そんなファイの胸中など知らず戦斧使いはメルを横目で見ながら口を開く。

「ああ、この子がね、あろうことかトモの採集クエストないがしろにしてナルガクルガやっつけるなんていうから喧嘩・・・というか調ky、ごほん。なだめてたんだよ」
「トモ何今の調教って!?」
「いいじゃんメル軽く被虐主義(マゾ)なんだし」
「ち、違うもん!」
「・・・それで何で私が関係あるんだ」

再び始まりそうになった不毛の言い争いに強引に割って入ったファイに、メルがそうそうと向き直る。なんて切り替えの早い子なんだろうか。

「あのね、ハンターさんに一緒にナルガ狩りしてほしいなって!ハンターさんナルガ装備作れちゃうほどナルガ狩り慣れてそうだから!」

やっぱりか。
そう思いため息をついたファイに、トモが振り返る。

「そういえば」
「?」
「君、誰?」

そういえば知らないねー等とつぶやくメルに、ファイはとうとう頭を抱えた。


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