D×D Bypar | ナノ




2

「だから!先にナルガクルガだよっ!」
「別にいいじゃんか、先に火山で鉱石採ったって」
「メルのハンターランク上げるの助けてくれるって言ったじゃん!」
「それはそれ」
「うなぁああああっ!!」

なんだろう、と人混みを掻き分けて騒ぎの中心へ近付いたファイは口が開いた。
そこでは二人の女ハンターが言い争いをしていた。

片や緑の髪を二つに結い上げたライトガンナー、片や薄水色の髪を後ろに一つに結ったスラッシュアックスの剣士。

見掛けはとても可憐だと言うのにこの二人の下らない喧嘩のせいで台なしだ。

「トモの嘘つき!おちびさんっ!」
「…………メル、一回逝っとく?」
「うぅっ、じょ、上等だし!」

・・・挙句の果てに、お互いの獲物まで取り出してしまう始末。
人間相手に武器を構えることがご法度なのを、この二人は知っていて、ギルド直轄のこの酒場で遣り合おうとしているのか。
ファイがあきれたように眺めていると、ガンナーの方と目が合った。気がする。

慌てて目をそらしたものの、いやな予感しかないわけで。


そして、こういうときの予感に限って見事的中するのは世の原理か何かなのだろうか。

「あーーーーーーーーーっ!!ナルガ装備!!」

ガンナーが、明らかに自分を指差した。もしかしたら間違いかも知れない、なんて淡い期待を抱いたが残念ながら今現在自分以外でナルガ装備を身につけているものはいない。
完全に、自分だ。



[ 157/200 ]

[*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]



人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -