12
「・・・カイン、回復薬グレートもってっか?」
唐突なレンの一言に虚を付かれたカインは、しかし持ってるよと答えながらひとつ渡そうとした。しかし、ちらりと見たレンの顔がやたら青くなってるのを見て首をかしげる。
「・・・どうしたの?」
「ファイ、ちょっと」
カインの疑問は無視しレンはティガレックスを見たままファイを呼ぶ。
ファイは視線だけレンに向けた。それだけでもいいのか、レンはそのまま言葉を発する。
「・・・もし、さ、すっごい圧力で相手をぺしゃんこにできるやつがいるとしたら、何だ?」
「圧力?」
「もしくは・・・風圧」
「!!」
その一言に、ファイは勢い良く振り向いた。その視線の先には訳がわかっていないカインと顔面蒼白のレン、そして。
何かに押しつぶされたかの様に砕けた、ティガレックスの脚が見えて。
「・・・クシャルダオラ」
ファイはそう答えることしかできず、それを聞いてわからないほど馬鹿ではないカインは瞠目した。
クシャルダオラは、思っていたよりも自分たちのはるか近くにいるという可能性に。
[ 138/200 ][*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]