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レンとケビンが意気投合している丁度その頃、カインはちょっと、いやかなりピンチだった。
路地裏で複数の男に囲まれていた。カインの肩がぶつかり、因縁を付けてきたのだ。
その背には太刀や双剣、ハンマーなどがかかってており、ならず者のハンターだと言うことがわかる。
「で、兄ちゃんよぉ。何か渡すもんあるんじゃねえのか?ん?」
リーダー格の男がカインの顔面ギリギリまで近寄り、遠回しに金銭をせびる。取り巻きの男達もにやにやしながらカインのリアクションを待っていた。
しかし、カインの表情はというと。
「……………………………………」
怯えや恐怖とは掛け離れた、侮蔑と軽蔑その他諸々がごちゃまぜになったような顔だった。
要するに、えらくビミョーな表情をしていた。
「なんとか…ぶっ!?」
あからさまなカインの表情に訝しげに覗き込んできた男にいきなりだった。
カインが勢いよくぶっ飛ばした。
周りはもちろんパニックになる。カイン一人が冷静なのは言わずもがな。
「てめっ、ふざけてんのか!?」
「あっ、すいません。パターンが雛型過ぎてつい」
ぱっと見真面目に謝っているものの、口にした言葉の内容にあからさまな嘲笑が混ざっていた。それに気付かないほど鈍感でもなかったらしいならず者達は背負っていた武器を構える。
カインが蒼天の瞳を細めた。
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