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「レン、どう?」
「・・・結構やべぇな、かなり長い間雪にさらされてる」
何のためらいもなくティガレックスに触れようとする二人に、ファイは思わず手を出した。触れるか触れないかの所で手首を掴み後ろへ引いたのだ。
「うわっ!?」
「何しやがる!」
「何してるの、ティガレックスだよ」
驚くカインと急に引かれて叫ぶレンにファイのやけに冷静な声が響く。
「助けるつもりなの?」
「だからなんだよ」
「助ける必要なんてないよ」
「それはお前の決めることじゃないだろ」
「レンが決めることでもない」
カインが唖然と二人を見てるうちに舌戦はどんどんヒートアップしていく。
レンがなおも言い募ろうとするより先に、ファイが先に言葉を発していた。
「この子は負けたんだよ、自然淘汰に負けたんだ。ここで生かしてもすぐに死ぬの」
吹雪いているのにやけに鮮明に聞こえるその台詞は、積もる雪より冷たい。
それなのに。
憐憫と温情が込められているのをカインは感じた。それはカインのみが感じた贔屓じみた感情なのかもしれない。
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