D×D Bypar | ナノ




7

ぎしりぎしりと三人が雪を踏みしめ麓を闊歩しているころ。

山頂付近では異変が起きていた。

猿のような獅子のような獣が、橙色の飛竜を相手に大立ち回りを演じていた。
雪獅子と呼ばれるドドブランゴと、轟竜ティガレックス。
雪山はこのドドブランゴの縄張りあるのは間違いない。何故そこにティガレックスがいるのかは、足元のポポの死体を見ていたたければ語らずともわかるだろう。

この暴君は、全ての生き物を敵に回すかのごとく、他の生物のテリトリーに侵入しルールをかき乱す。ルールだけではない。己が力を誇示するかのように大型の生物を悉く殴り倒す。

ドドブランゴは己が築き上げた群れと長としてのプライドを守るためにうなり声を上げる。相対するティガレックスはそれを叩き潰すがためにうなり声を上げる。

両者が、咆哮する。

それは雪山全体を振るわせて、弱肉強食の底辺に属する生物を恐れ戦かせる。
だがそれは始まりに過ぎないのだ。

ドドブランゴが分厚く積もった雪に前足を突っ込み、雪をティガレックス目掛けて投げつける。凶器と化した雪球はティガレックスを直撃する。元来寒気に弱いティガレックスだが、それを正面から受けた挙句ドドブランゴに突っ込んだ。

狙うはドドブランゴの喉笛。

しかしティガレックスの牙はその喉笛に届くことなくドドブランゴの剛力に殴り飛ばされる。だが、力ならば轟竜も負けはしなかった。

雪に前足を突きたて大きく滑りながらも着地したティガレックスはそのまま勢い良くドドブランゴに突っ込んでいく。
先ほどの二の舞だろう、といわんばかりにドドブランゴは再び雪球を弾き飛ばす。しかし、ティガレックスもそこまで滑稽ではなかったのだ。



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