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「カイン!」
「何?どんなクエスト!?」
レンの驚愕を残した表情にカインも落ち着かず、思わず叫ぶように聞き返す。
負けじと叫び返すレンに、今度はファイも目を見開いた。
「古龍クシャルダオラ、討伐依頼だ!!」
古龍、書いて字のごとく古より生きる龍たちのことだ。その生態、能力は謎に包まれており、また非常に遭遇例が少ないため彼らに会わず生涯を終えるものも少なくない。
そんな古龍、しかも有名な詩に登場するクシャルダオラを目の当たりにできるチャンスが来たのだ、レンもカインも興奮するのは仕方のないことだ。
「クシャル、ダオラ・・・!?」
「カイン、これ受けようぜ!倒せなくても見て帰るだけなら・・・」
「駄目」
そうレンを遮ったのはカインではなくファイだった。割らないようにとは言えかなりの力で握られたお茶入りのカップはみしみしと悲鳴を上げていた。
当然そういう風に話を遮ったファイにレンは一瞬虚を突かれ、そして我に返ると同時にファイに食ってかかった。
「なんでだよ」
「・・・あなた達のランクじゃ発行できない。そもそも今の装備じゃ言って無駄死にするだけだ」
ファイは事実を言ったまでだ。ランクが足りないのも、今の二人の防具ではクシャルダオラの攻撃から身を守ることは不可能だと。
しかし、当然そんなことで引かないのがレンという男の本質で。
「じゃあお前も一緒ならいいだろ?」
「は?」
こんな流れでファイはカインとレンの保護者の位置に流れ着いてしまったのだ。
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