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エルベに引きずられていった先は中央広場だった。
ここでは前夜祭、収穫祭のステージパフォーマンスが披露される場である。そのため人の数は先ほどの酒場の比ではない。
「うわぁ・・・」
再び情けない声を上げたカインを無視してエルベはずんずんと前へ行く。そうして出てきたのはステージが間近にある最前列だ。
「よし、間に合った!」
「だから何を・・・」
「いいから、ほらもうすぐよ」
もっとと言わんばかりに前へ押し出すエルベに流されるまま前へと出たカインはステージを見た。
そこにはラフな格好ではあるが、どこか整った格好をしたケビンが拡声器片手に次のプログラムを紹介するところだった。
『えーでは!今夜、いや明日も来年もメインの彼女の登場だ!よろしく頼むぜ!”真紅の姫君(スカーレッド・プリンセス)”!』
その謎の単語とともに広場は沸きあがる。何が起こるかわからず混乱したカインは目をむいた。
ステージの上には美しく着飾ったファイがいたのだ。
その手に太刀を携えて。
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