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ファイが立ち上がり、レンが喚くのをカインが同じように喚き返していて、ケビンが一息付こうとしていたときだった。
グオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!
「「「「!!!!!」」」」
先ほどまで聞いていた咆哮が、四人の背筋を凍らせる。
「まさか・・・!」
ケビンが勢いよく天を向いて、硬直した。
続いてレンが、ファイが、そしてカインも目を見開くしかなかった。
吹き抜けの天井からは痛いほどの晴天が雲を泳がせている。
そこを、赤で切り取ったかのような王者が、佇んでいたのだ。
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