18
凄まじい爆発音を聞きながら地面に縺れ込んだ二人は、ぱらぱらと石くれが落ちる音が聞こえると同時に目を開けた。
ファイの顔が、理解に悩むといいたげに歪む。
「っ…なんで…」
自分の下から聞こえてくる搾り出したかのような声に、カインは間髪入れず返した。
「仲間だから」
「っ!」
先程、洞窟に入る前にも聞いた答。しかしそんなものよりはっきりとした答がファイの呼吸を詰まらせる。
「…生憎だけど、僕は仲間じゃないって言われても認めないよ」
「なんで…そこまで…」
「だって、君は優しいから」
突き放そうとしたんでしょと言ったカインの顔は、崩れた天井から差し込む光によって見えなかったがきっと、人が好きな柔らかい笑顔を浮かべているのだろう。
嗚呼そうだ。
のほほんとしているように見えて、彼は誰よりも人を想う優しい男(ひと)で。
自分ごときの嘘なんかで欺けない聡い男(ひと)で。
だからどうしようもなく惹かれたのだ。
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