D×D Bypar | ナノ




14

そこから先は、無言だった。
先に行くといったファイの後をカインは暗い顔で追いかけた。先に行きこそすれど、ほって行かないのはファイなりの配慮だろう。
しかし、カインはそんなことどうでもよかった。
さっき、冷たい言葉でカインを突き放したのはファイだ。しかし、そのときのファイの表情をカインが見ていないわけがなく。

酷く、苦しそうにしていた。

それに、カインは薄らぼんやり覚えているのだ。前のゲリョス討伐クエストの際、ファイが自分の名前を必死に呼んでくれていたのを。

何か訳があるに違いない。しかし、その訳がわからない。

もやもやした気持ちを抱えたまま、カインとファイは洞窟の入り口に立つ。

中にはペイントボールと血の匂い。そして、寝息。

リオレウスが傷を癒すべく、眠りについていた。



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テーマ「人外ファンタジー」
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