D×D Bypar | ナノ




11

その隙にカインとケビンは距離をとり、レンは次の攻撃の準備に入る。ファイもリオレウスから距離をとろうとして、弾き飛ばされる。
甲殻と同じく強靭でしなやかな尾が、ファイの背後を強襲したのだ。

「っファイ!」

とっさにカインがファイの下敷きになったため地面にたたきつけられることは回避したが、やはり尻尾だけでもかなりの重量があり、その遠心力を利用した攻撃となるとダメージはでかい。二人のうめき声を聞きながら、ケビンはそのままリオレウスに向かって走りこむ。
そのままリオレウスの腹の下にスライティングで潜り込み、アックスを腹に突き立て、勢いのままに滑る。

「ガァァァァァァ!!」

耳を劈く悲鳴がケビンのスラッシュアックスを握る手を震えさせるが無視し、さらに力をこめ柄を握り、尾の付け根まで切り裂いた。顔にリオレウスの体液がバケツをひっくり返したように降り注ぐ。

そこに、レンの貫通弾が直撃する。とうとう硬い甲殻は打ち抜かれ、火竜は苦悶の声を上げる。それでも力尽きる、ということはなく、まだ無傷でいる翼を広げ天へ舞う。

そのまま血を滴らせながら飛んでいくのを見ながらケビンは叫んだ。

「カイン、ファイ!奴は洞窟だ、先に行け!俺とレンは別ルートから挟み込むように向かう!」
「わかりました!」

それだけ叫ぶとカインとファイは洞窟のあるエリア目掛け走り出す。ケビンとレンが反対方向へ走り去る足音を聞きながら、ファイはケビンをちらりと見て、前を向いた。



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