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「グァァァァァァア!!!」
リオレウスの咆哮が、四人の鼓膜に打撃を与える。しかしファイはいち早く態勢を立て直し、リオレウスの脚へと切り掛かる。一撃目は、さしてダメージを与えていなかった。だが、ファイは驚異の怪力と剣速で削る様にリオレウスの脚を切り付ける。
そこまでされ黙っているリオレウスではない。
一旦距離をとったファイ目掛け突進を仕掛ける。しかし、尾をカインの大剣が、頭をケビンのアックスが直撃し、怯む。さらに追い討ちをかけるかのようにレンの散弾Lv.1が襲う。
強靭な甲殻を貫くとはいわないまでも、ファイが再び間合いをつめ、攻撃態勢に入るのには十分過ぎる隙ができた。
リオレウスの首の下に、ファイが低い体勢のままもぐりこむ。
「っおおおおおおおお!!」
そして、風が鮮血とともに凪いで。
「ギャアアアアアアアアア!!」
火竜の悲鳴に合わせて、紅が舞う。
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