D×D Bypar | ナノ




3

そんな会話をしていたのが三日前。
今日は丁度収穫祭の前日だ。
やはり大きな街の祭の前日となると熱気が押さえられず前夜祭を始めだす者もいる。

街道沿いに建ち並ぶ露店は他の店に負けないように声を張り客を呼び込み、普段から店を経営していり所はここぞとばかりに値を下げセールを行う。
中にはモンスターの素材を用いたアクセサリーや隣街の特産品である麻織物や砂漠や雪山といった辺境でしかお目にかかれない物が並ぶ。
そして、普段からハンターでごった返しているサウィナズスは文字通り「人の詰まった宝箱」状態になる。

「うわあ…何時も以上に人多いね…」
「ああ…」

田舎出身二人が呆然としているのにケビンは苦笑しながらクエスト受注表をエルベに手渡す。

「はい承りましたっと…ケビンあんた一番近場キープしておいてあげたんだから今日の夜までに狩ってきなさいよ?」
「あ、あぁ…わかってる」
「どうだか。あんたが食われたら今日の司会者の代理いないんだからね!」

ばしんと勢いよく肩を叩かれケビンがよろけるのを見ながら、ファイは足元に目を向けていた。

「…なんでいるの?」
「に、ニャ…」
「チャア…」

そこには二人で正座をしているチャチャとファイのサポートアイルーのパズルが座っていた。どうやらリオレウス狩りたさについてきてしまったらしい。

「あ、あの、…この馬鹿がリオレウス狩り行きたいって!!」
「チャ!?違うっチャ!こいつが!」
「…チエリーとシルバ見ててって、言ったよね」
「そ、それは…」
「その…」
「言ったよね?」
「「…ごめんなさい」」

ファイの静かな圧力に二人は平伏するしかない。しかし落ち込んでいる二人を見ていて気の毒に思ったらしい。

「…明日のお祭りは、一緒にいっていいから」
「ニャァ…」
「チャァ…」
「今日は我慢。ね?」
「…分かったニャ」
「しょーがないっチャね」

ほんの少し元気を取り戻した二人に、ファイ少しだけはにかんだ。




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