D×D Bypar | ナノ




3

「こりゃ普通に風邪だな」

レンがオーバーなまでに騒いだ為、近隣住人が騒ぎだし、その騒ぎに釣られてきたケビンがため息を付きながらベッドに寝かせたカインをみる。
カインは目を開けているのも辛いのか、それとも眠っているのかは判断しかねるが目を閉じていた。その息は荒く、前髪が汗でわずかに湿っていた。
レンの騒ぎに起きたチャチャとチエリーも心配そうにカインの顔を覗き込むがケビンが感染(うつ)るぞと首根っこを掴んで距離を置く。

「飯食って寝てりゃすぐに良くなるさ。つかレン、お前さん一応医者なんだろう?」
「う・・・」
「慌て過ぎだ、落ち着け」

ばつが悪そうにしているレンと全くと苦笑しているケビンの会話に介入したのはチャチャだった。チエリーはカインを覗き込んで動かない。

「レン、今日のクエストどうするっチャ?」
「そうだ・・・どうしよう・・・おっさんは今日忙しいんだろ?」
「ああ、ちょっと町長に呼ばれててな。今度の収穫祭の計画を立ててくれと言われてる」

町長に呼ばれて祭りの計画を立てるハンターもどうかと思ったが、ケビンだからと言われたらなんとなく納得できてしまうからすごい。だよなあ、と呟いたレンに、またチャチャが口を開いた。

「なんならオレチャマを連れていくといいっチャ!」
「はぁ?」

堂々と言い切ったチャチャの発言は、しかしレンの腹の立つ否定的な疑問符に一蹴される。当然お子様なチャチャがそれに腹を立てない筈がなくかみつくように反論した。

「な、何だっチャその馬鹿にしたような反応は!?」
「馬鹿にしたような、じゃねえよ。馬鹿にしてんの」
「失礼っチャ!!人を見かけで決めつけやがってっチャ!!だから狙撃しか能がないんだっチャ!!」
「んだとコラァ!?狙撃舐めんなどんぐり頭!!」
「青色ウニ頭に頭の事言われたくないっチャ!!て言うかこれお面であってオレチャマの頭じゃないっチャ!!」
「だったら外せや!!体とアンバランスなもん着けてるからよくこけるんだろうが!!」
「お前が部屋散らかさなかったらいい話なんだっチャ!!いつもカインが片付けてるんだぞ!!」
「お前だって飯食ったらそのまんまじゃねぇか!!同じ穴のムジナだろーが!!」
「一緒にすんなっチャボケぇ!!」
「してねぇよ一緒くたにしてんのお前だろ!!」
「なんだと!?」
「やんのか!?」
「やらんで良し!!」

ガンっ  ゴンっ

ケビンの鉄拳制裁が二人の頭にクリティカルヒットした。



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