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時は数刻前まで遡る。
「おーいカイン、準備できたのか?」
「・・・・・・・・・・」
「カイン?」
レンはぼんやりとしているカインをいぶかしげに見た。
最近は二人でもそこそこ狩りができるようになっていたのでファイやケビンに手間を掛けさせずに済んでいる。バサルモス位なら二人でも十分大丈夫になってきていた。
そして、カインがバサルシリーズを欲しがっているのでその素材集めも兼ねて火山のクエストをとっていた。
しかし、いつもならレンより先に用意を済ませ、玄関で待っているなり先にクエストを受注しに行ったりしているカインがレンよりも遅い。それが気になってレンはカインの様子をうかがった。
顔色が、悪い。
銀髪に白い肌ときているカインは普段からどこか儚い印象があるが(しかしその実軽く傍若無人なところがあるので堪ったものではない)今日はいつもの比ではない。
レンが試しにカインの顔の前で手をぱたぱたと振ってみたが反応が鈍い。それでも無反応という訳ではなかったのでレンがカインの腕を掴んで立ち上がらせてみたのだが。
「・・・っ」
「え、ちょ、カイン!?」
カインが倒れた。
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